52 社会学部社会学科は、社会学部の「人材養成上の目的・教育目標」に基づき、社会学科の「人材養成上の目的・教育目標」を次のとおり定める。 社会学は、さまざまな水準で他者を認知し理解することを目指す学問である。多様な仕方で存在する他者への関心をもち、理解し、ひいてはそこにあるさまざまな葛藤を発見・探求することが、社会的寛容性を高めることにつながる。 社会学科では、現代社会に伏在する多様な問題を発見・追究し、より望ましい社会のヴィジョンを構想し、かつそれに向けて意欲的に実践できる人材の育成を教育目標とする。いいかえれば、社会学科が目指す教育とは、学生が社会に対する好奇心をもち他者に気づくことから、そこにある社会の多様な葛藤を理解し、課題として追究し、それを自分なりに表現する力を身につけることである。 社会学部社会学科は、社会学部の「卒業の認定・学位授与に関する方針」に基づき、社会学科の「人材養成上の目的・教育目標」に沿った人間を育成するため、所定の期間在学するとともに126単位を修得し、次の能力を身につけることを卒業認定と学位授与の要件とする。 1.(社会学の基礎) 他者との出会いの場としての、あるいはそれ自体で「他者」であるところの「社会」について、そして、そこに起きる人と人との間の、それを支える人ならざるものと人との間の関係をめぐる、文化や生命、環境に関する諸問題について、実証的かつ論理的に理解し対処する一助となすべく、社会学という一専門科学の基本的考え方を身につけている。 2.(論理的思考と実証的態度) 学部段階での教育においては、「社会学科」といえども、社会学のみならず人文社会科学一般、更には自然科学とも共通する、論理的・批判的な推論法と、現場での実態調査と統計的なデータ処理を中心とした、事実を踏まえた実証的な探究法の修得が本義である。ただし「社会学科」である以上、本学科生は哲学でも心理学でもなく、まずは「社会学」を通じて以上の批判的思考法・実証的探究法を身につけている。 3.(社会学の本義) そのうえでより積極的な意味で、哲学でも心理学でもなく、「社会学」を学ぶことの本義は、「人間が人間であること」の自明性よりはむしろ「人間とは何か」という常識、定義付け自体が「歴史的社会的な状況によって変わりうる」という非自明性、つまり「同じ人間とは思えない」異質な他者でもありうる存在としての人間について、思弁を通じてのみならず具体的な他者との出会いの場としての「社会」についての実証的探究を通して体得することにある。本学科では、特に社会調査につき、基礎的な方法論の習得から現場での調査の技法から分析技術まで、一貫したカリキュラムでの指導に注力している。 本学科生は、文化や生命、環境に関する諸問題に取り組む社会学の学習を通じて、異質な他者、想像もつかない未来に対する開かれた感受性と、そうした非自明性を前に思考停止に陥らない強靭な思考力とを身につけている。 4.(表現と実践) 感受と思考の成果は、現実の行為へと、あるいは実践へと移されなければ、それこそ「社会的」に意味をもたない。そして、言語を用いて明晰に何事かを表現し、他者に伝えることが期待される。何より、62人材養成上の目的・教育目標 卒業の認定・学位授与に関する方針(ディプロマ・ポリシー) 社会学科の目標と方針
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