2023年度 明治学院大学 履修要項(法律学科)
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76Ⅰ はじめにⅡ 法律科目の科目構成公法分野は、国家の組織・作用、国家・行政機関と市民との権利義務関係を扱う法分野であり、憲法を基本として、行民事法分野は、私人間(個人間、個人と企業、企業間など)の権利義務関係を扱う法分野であり、最終的に民事裁判による紛争解決が予定されている。民法が基本法であり、商人(主に企業)に関する特別法である商法、労働関係の特別刑事法分野は、犯罪と刑罰について扱う法分野であり、国が犯罪被疑者を訴追する刑事裁判をその中心舞台としている。基本的な犯罪類型と犯罪と刑罰の原則を定めた刑法が基本科目であり、刑事手続きのルールを定めた刑事訴訟法、犯法学部法律学科では、学科科目だけで140を超える科目を提供している。これらの科目から段階的・系統的に法律学を修得できるよう、学科科目群による必修・選択必修制を導入している。これは、法律学科で法律学を学んだと認められるミニマムであり、学生各自の個性と自主性を尊重する観点から、学生各自が自分にあった履修計画を立てることが必要である。以下、法律学科科目の構成の説明(Ⅱ)、将来の進路・関心に応じた履修の考え方、履修を勧める科目等(Ⅲ)を示す。参考とされたい。なお、卒業要件の充足については、各入学年度ごとの「履修の方法」、「科目一覧」(本履修要項に掲載)等を熟読し、各自の責任で注意しなければならない。1.法律分野の概観実定法分野(我が国で現実に施行されている法律を研究する分野。これに対し、法律の歴史・思想・哲学的考察、外国の法律等を研究する分野を「基礎法分野」という)は、伝統的法律学の分類では、公法分野、民事法分野、刑事法分野に分かれる。政法、租税法などが中心をなしている。法である労働法、裁判による権利の実現を保障する民事訴訟法などがその中心をなしている。罪者の処遇や犯罪抑止のための施策を検討する刑事政策などがその中心をなしている。  法律分野の分類(概念図)法律分野基礎法分野実定法分野法律の歴史・思想・哲学的考察・社会学的考察外国法公法分野    国家、国民の権利、行政活動民事法分野  民事裁判、財産・取引・生活刑事法分野  刑事裁判、犯罪・社会防衛履修計画の立て方

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