2024年度 明治学院大学 履修要項(法律学科)
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2.明治学院大学法律学科の科目構成① 実定法の段階的学習明治学院大学法律学科のカリキュラムは、公法、民事法、刑事法の実定法3分野を系統的に、導入→基礎→基本→発展・定着と段階を追って学べるよう、構成されている。導入: 社会や法律についての知識がない1年生に、法律が対象とする社会事象と法律の機能について基本的な知識と考え方に触れてもらう段階である。公法分野では憲法1の導入部分、民事法では民事法入門、刑事法では刑事法入門がこの段階に当たる。また、法律学一般の基本概念について学ぶ法学の基礎、1年生向けのゼミである基礎演習1・2も導入段階に位置づけられる。基礎: 法律学は体系的な学問である。一般的、基本的法律分野の知識・考え方を基礎・前提として、個別的、具体的法律分野が組み立てられている。従って、どのような分野に重点をおいて学ぶにせよ、法律を学ぶ上で必ず学んでおくべき基礎的事項がある。このような法律学の核に当たると考えられる科目を法律学科では、必修科目として単位修得を義務づけている。基本: 基本六法(憲法、民法、商法、刑法、民事訴訟法、刑事訴訟法)と行政法は、伝統的に法学部で中心科目として講じられてきた科目であり、法曹(裁判官、弁護士、検察官)、行政官に必須の知識と長い間理解されてきた。社会が複雑化した現在においても、これらの科目は、重要な法分野であり、特に法科大学院に進学して法曹をめざす者には、必ず習得しなければならない必須科目である。さらに、発展的法分野の基本であり、各系統ごとに発展的法分野を理解するには、その系統の基本法理解が必要となる。このような観点から、基本六法と行政法を基本科目とし、さらにその内部での学習上効率上の順序、社会における重要性、発展科目での必要性から、必修科目、第1群~第3群に整理し、それぞれ要求単位を設けている。要求単位を充たしながら各自が履修計画を立てることで基本科目の効率的習得、及び発展的科目の前提知識を得ることが可能となる。発展: 国際問題、財政制度、労働問題、企業取引、消費者取引、環境問題など具体的問題を対象とした発展的法分野を、法律学科では数多くかつ系統的に配置し、第4群、第5群に整理している。個人の進路・関心にあわせて履修することを想定している。発展的法分野を学ぶ意義は、第一に現代の社会問題に法律学が与えている解決策とその限界を学ぶことで実践的な知識と思考方法を身につける点にある。さらに、具体的個別的分野での問題を検討することで、憲法、行政法、民法、商法、刑法などの基本法で学んだ制度あるいは論点の機能や意味が理解できるという効果がある。定着: 基本科目の定着を目的として、2年次に2年次演習1・2、3~4年次に演習Ⅰ・Ⅱ、公法、民事法、刑事法各分野の特講・演習を設けている。法科大学院進学をはじめとして基本法分野の徹底的理解と高いレベルの議論を必要とする者は積極的に各分野の特講・演習を活用すべきである。77

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