② 科目群の説明上述のように、明治学院大学法律学科のカリキュラムでは、導入段階としての入門科目、共通の基礎としての必修科目の上に、各自の進路・指向に合わせ、各科目群の要求を充たしながら自由に選択することができる。各科目群ごとに要求単位数を設けたのには、それぞれ理由がある。以下、説明する。入門科目・必修科目法律学科では、公法、民事法、刑事法各分野の基本である、憲法、民法、刑法の重要部分の習得を全学生共通の目標としている。この目標達成のため、導入段階として1年次春学期に少人数クラスの民事法入門と刑事法入門を配置、基本的人権を扱う憲法11--11・・1-21-2、民法の重要部分でありその後の民事法分野の理解に不可欠な民法総則 11・・22、物権法11・・22、債権総論11・・22、契約法11、不法行為法、犯罪と刑罰の原則を学ぶ刑法総論11・・22を必修と している。各自の学びの方向性や進路を問わず、法と社会の問題を考える素材と基本的視座として、必要最小限の知識と思考の場を与えうる科目と考えるからである。公務員志望者や資格取得希望者については、いずれの試験においても民法科目の出題が非常に多いことに注意されたい。第1群:行政法と商法の基本科目から12単位以上実社会において法学部出身者に求められる基本的知識は、公法では行政法、民事法では、民商法(民法・商法の総称)である。また行政法は、民法と並び、多くの公務員試験で比重の高い試験科目でもある。このような重要性に鑑みて、これらの分野から、進路や指向に合わせて一定数以上の科目を履修することを求めている。また、行政法は、公法分野の発展的科目、商法は、民事法分野の発展的科目の前提知識となっていることが多い。第2群:民事訴訟法、刑事訴訟法から6単位以上法律問題の終局的解決形態が裁判である以上、裁判手続きの基本について学んでおく必要があると考え、少なくとも民事、刑事いずれかの訴訟法の履修を要求している。両科目とも司法試験の受験科目である。第3群:基本六法に属する基本科目のうち必修、第1群・第2群以外の科目から10単位以上基本六法(憲法、民法、刑法、商法、民事訴訟法、刑事訴訟法)のうち、必修・第1群・第2群に加え、各自の志向に合わせていくつか学んでおくべきだと考え、要求している。必修、第1群~第3群で司法試験の必須部分の試験範囲となる。第4群:国際法分野、社会経済法分野、倒産法から8単位以上基本六法より具体的な社会的問題を対象にした法分野であり、独自の法分野としてそれぞれ基本六法とは異なる方法論及び思考方法を必要とする。各自の進路や指向に合わせていくつか学んでおくべきだと考え、要求している。国際法1・2は、第5群に配置されている国際関係の個別法分野(国際環境法など)の前提知識となっている。なお、この群の科目は、司法試験の「選択科目」に属するものが多い。第5群:発展的・先端的分野、基本科目の特講・演習から12単位以上現代社会で解決を迫られている諸問題に対応した発展的・先端的法分野の科目、及び基本六法の定着・発展を目的とした各分野の特講・演習科目を配置した。基本科目の実力をつけたい者は、特講・演習科目を中心に履修し、より現実的な問題に関心がある者は、その興味や進路にあわせて特定分野の科目を集中的に履修することもできる。環境法分野、消費者法分野においては、各分野ごとに段階的に履修していくことも可能なカリキュラム構成となっている。企業法務上重要な科目も数多く配置してある。79
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